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第948話
防虫剤を焚き、部屋を出る。
これであとは必要なものを持ち込むだけだ。
多分。
ぐーっと背伸びをしてから、歩き正す。
窓のサイズも測った。
玄関の幅も測った。
あとは最低限必要なものを購入し搬入する。
こちらは流石に大変そうだ。
だが、有り難いことに、長岡の部屋で寝させてもらえるので猶予がある。
この猶予が本当に有り難い。
新人は夜遅くまで居残ると聞く。
長岡は大丈夫、サポートすると言い否定はしなかった。
とりあえず、ゴールデンウィークまでは踏ん張る。
どこまでやれるのか、不安もある。
それでも、支えてくれる恩師と恋人のお陰で1人きりで頑張らなくても良いと思える。
どんな時でも楽しむ。
それはA組で教わったことだ。
きっと、人生で大切なことでもある。
あの長岡が、その考えに至った理由とはなんなのだろうか。
真面目で、正しい顔をする長岡先生。
子供でも大人でもない歳の自分達を対等な人間として接してくれていた。
時に守るように。
時に、友達のように。
大切なことは長岡先生から教わった。
振り返ればそれが背中を押してくれる。
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