949 / 984

第949話

部屋に帰ると、床に三条が落ちていた。 いつかの日を思い出してドキッとしたが、今日は体調不良ではないことを知っている。 ソファとローテーブルの間で丸くなって寝ている姿はよく似ているが、事前に寝させてほしいと連絡がきているので安心だ。 それにしても、珍しいな 帰ってきたの気付かず寝てる とりあえず寝姿を写真に収め、肩を揺らした。 身体が揺すられると、サラサラした髪まで揺れる。 「遥登、起きろ」 「……ん、…おはよ、ごさいます」 もぞ…と山が動くと、まずは頭が起き上がる。 眠そうではあるが、寝起きの良い子だ。 羨ましい。 「はよ。 起こせって言われたから起こしたけど、もう少し寝てても良いぞ。 送るし」 「起きます。 2時過ぎに寝て…今何時ですか…」 「18時少し前」 「4時間も寝ました」 明け方の散歩もあって変な時間に眠くなったのだろう。 流石に時間が早すぎようだ。 着替えることを伝え、部屋へと向かう背中に「あ」と、声がかかる。 「正宗さん、おかえりなさい」 「ただいま」

ともだちにシェアしよう!