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第959話
残り…はない。
綺麗にペロリと食べきってしまい明日のおやつ分はない。
父親と風呂へと行った綾登もいなくなり、テレビ画面にはゲーム画面を映し出す。
「食べきっちまったなぁ」
「…そういうと思った」
「美味かったもん」
「綾登には内緒だけどもう1本あるよ。
アイシングはかかってないけど」
アイシングがかかってなくても美味いのは分かりきっている。
けど、さっき一緒に作ったと言っていた。
あんなに気に入っていたのなら、2本あれば分かるはずだ。
「一緒に作ったんだろ?」
「作った。
けど、気が付いてねぇんだよな」
「お菓子渡して気ぃ逸らした?」
「した」
平然といって退けながらゲームを選択する横顔を見る。
「それだろ…」
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