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第964話
ゲームに集中していると気付きにくいが、腹が減った。
チラッと横目で見た時計は昼を指している。
「昼食う?」
「うん。
俺、作るから課題してな」
「ラッキー」
それなら決まりだ。
伸びをすると縮こまっていた筋肉が大きく動いて気持ち良い。
そのまま立ち上がると、膝がパキッと鳴った。
ついでに、あったかいお茶でも飲もうと、僅かしか残っていないお茶を飲みきりマグを手に台所へと向かう。
「うどんで良い?」
「うどんが良い!
とろろ昆布も良いけど、野菜のも食いたい」
「ははっ、どっちも美味いよな。
野菜のにとろろ昆布のっければ良い?」
「うんっ!」
コントローラーを置いた優登は、床に寝そべるとぐーっと身体を伸ばした。
それから、半身を起こし、課題のプリントをファイルから取り出す。
ゲームをしようと誘ってきたのは弟からなのに、課題もちゃんと部屋から持ってきている辺り真面目な弟らしい。
なら、美味しい昼ご飯を作って栄養をつけてもらわないと。
大根、人参、玉ねぎ。
あとは、葉物野菜と油揚げでもあれば最高だ。
けんちん汁みたいに野菜を沢山入れて腹いっぱいにしたい。
冷蔵庫を漁りながら野菜を見繕っていく。
そして、勿論、おやつには優登の作ってくれたレモンケーキ。
今から食べるのが楽しみだ。
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