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第966話
「いっただきまーす」
美味そうにうどんを食べる弟を見ながら、同じものを口にする。
無事に大学を卒業し、就職先も決まり、ヨウヤク本当の意味で一息吐けた気がする。
就職先もなにかの間違いでは?
などと、邪推なことが頭から離れなかった。
だが、顔合わせに行って漸く受け入れられた感じがする。
高等学校教諭普通免許状も届いて実感もグッと増したが、やっぱり実際に学校に足を運ぶのはより強い。
そのせいか、残り僅かな貴重な自由時間を存分に使いたい。
「おにぎりもらう」
「うん。
食べな」
今日はおやつに、ウィークエンドシトロンがある。
それとコーヒーで優雅におやつを食べて、ゲームをして、今日くらいは勉強もせず遊び呆けても良いだろう。
「んまい」
「良かった。
沢山食べてな」
「うん。
あ、兄ちゃんもケーキ沢山食べてな。
また作るし」
「ほんと?」
「うん。
春休みで暇だし。
今の季節なら焼き菓子焼いて暑くねぇし」
それなら遠慮なく甘えさせてもらおう。
けど、果物のごろっとしたゼリーも良い。
バニラアイスの冷たさを利用して固めるコーヒーゼリーも捨てがたい。
そんな話をしながら、昼ご飯を食べ進めていく。
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