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第967話
しっかりと食べ、しっかりと遊び、三男のお迎えに行くと元気いっぱいの綾登が脚にしがみついてきた。
「はぅっ」
「おかえり。
お片付け終わった?」
「うんっ」
その後ろから担任の先生がやってきた。
挨拶をすると、にこにこしながら1枚の紙を差し出してくる。
「この絵、お兄さんだそうです。
とっても元気に書いていました」
そこには、五人が仲良く並んでいる絵がクレヨンで描かれている。
「これ、俺?
この1番格好良いの俺?」
「へへぇ。
そうだよ」
「嬉しい。
ありがとう!」
ぎゅーっと小さな身体を抱き締める。
日に日に絵が上手くなっていく。
丸だったのが、頭足人になり、人の姿になっていく。
口は赤、髪の毛の色も他の線とは違う色だったり。
服も好んで着ている色だったり、子供はよく見ている。
「この絵、もらって良い?」
「いーいーよ」
「飾ろ」
一人暮らしの部屋は寂しくなさそうだ。
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