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第970話

買ってきた生鮮食品を冷蔵庫へと片付け、手を洗う。 先に手を洗い終えた綾登は嬉しそうに頬をふくふくさせている。 「うぃんなーっ、ちぱぱっげてぃー」 「惜しい。 スパゲッティ。 パスタは言える?」 「ぱすた!」 短い言葉の方が言いやすそうだ。 正確に言えば、パスタはマカロニなども含まれる、大きな総称だが…。 「却下」 すると、優登がすぐにそう申し出た。 「スパゲッティ」 「すぱぱげてぃ」 「よし」 言わんとしていることは理解した。 「分かる。 可愛いよな」 「……まぁ」 「優登も可愛いよ」 「子供扱いすんなよ…」 三条にとっては、次男も可愛い弟だ。 ミルクを飲ませたり着替えを手伝ったり、沢山色んなことをして遊んできた。 綾登は綾登。 優登は優登で可愛い。 「ん? 弟扱いしてんだよ」 「それなら…まぁ…」 2人とも、同じだけ特別だ。

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