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第972話

翌日、優登と借りた部屋へと訪れる。 水道や電気が通るのを立ち会い確認する為だ。 それからカーテンを付けたり。 手伝ってくれるらしい。 自宅で1人ゴロゴロ過ごすのも良いが、見知らぬ街を散歩するのも気分がかわって楽しいだろう。 暇なら暇で、そういう時間の使い方もある。 そんな優登は黙々とカーテンにフックを引っ掛けてくれている。 「ありがとうございました」 水道の確認を終え、部屋へと戻ると後はぶらさげるだけの状態。 本当に有り難すぎる。 「終わったよ」 「助かる」 「別にこれくらい。 他にすることある?」 「じゃあ、カーテンつけるのも手伝ってれるか?」 「おんっ、任せろ」 自宅から持ってきた踏み台に乗り、カーテンレールに引っ掛けていく。 まずはレースのもの。 事前に採寸していたのでピッタリだ。 もう片方も引っ掛けていくのを優登は手伝ってくれる。 「普通のカーテンも頂戴」 「うぃー」 すべて引っ掛け終えると、一気に部屋っぽくなるから不思議だ。 カーテンがない時は空き部屋の印象で、カーテンがあると部屋。 これまでの生活中での印象だとしても面白い。 「良いじゃん」 「うん。 良いな。 サイズもピッタリだ」

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