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第978話

昨日買った苺で作られたタルトを食べていると、胡座をかいた上に綾登がちょこんと座ってきた。 「いひひっ」 「どうした」 「あーとのばしょ。 とっとーせき」 「特等席、な」 頭を撫でながら長岡にメッセージを返す。 散々部屋を掃除してもらっておきながら、片付けを手伝えてなくて悪い…。 そんな内容だ。 それを言うなら、清掃をバイト扱いしてくれているので正直すごく助かっている。 金銭が発生するからこそ、徹底的に掃除をするし、それになにかと物入りなのは事実なので、申し訳ない反面すごく助かっている。 削るなら箱ティッシュかトイレットペーパーのどちらかだけを購入したら、その両方の役割を担わせることが出来る。 けど、裏を返せば、そのどちらかは必ず購入しなければいけないということ。 そういう細かい出費が案外嵩張る。 だから、気負わないでほしい。 「兄ちゃん、おかわり持ってきた」 「ありがとう」 「ありあと!」 「赤ちゃん、そんなに牛乳飲むとお漏らしすんぞ」 「しないよ! あかちゃんじゃ、ないもんっ」 綾登が身体を動かすと少し位置が悪い。 さりげなく小さなお尻の位置をずらした。 すると、ぽふっと背中を預けてくる。 「ふんっ」 「怒った顔も可愛いなぁ」 もちもちの頬を揉みながら家族との時間を味わう。

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