978 / 984
第978話
昨日買った苺で作られたタルトを食べていると、胡座をかいた上に綾登がちょこんと座ってきた。
「いひひっ」
「どうした」
「あーとのばしょ。
とっとーせき」
「特等席、な」
頭を撫でながら長岡にメッセージを返す。
散々部屋を掃除してもらっておきながら、片付けを手伝えてなくて悪い…。
そんな内容だ。
それを言うなら、清掃をバイト扱いしてくれているので正直すごく助かっている。
金銭が発生するからこそ、徹底的に掃除をするし、それになにかと物入りなのは事実なので、申し訳ない反面すごく助かっている。
削るなら箱ティッシュかトイレットペーパーのどちらかだけを購入したら、その両方の役割を担わせることが出来る。
けど、裏を返せば、そのどちらかは必ず購入しなければいけないということ。
そういう細かい出費が案外嵩張る。
だから、気負わないでほしい。
「兄ちゃん、おかわり持ってきた」
「ありがとう」
「ありあと!」
「赤ちゃん、そんなに牛乳飲むとお漏らしすんぞ」
「しないよ!
あかちゃんじゃ、ないもんっ」
綾登が身体を動かすと少し位置が悪い。
さりげなく小さなお尻の位置をずらした。
すると、ぽふっと背中を預けてくる。
「ふんっ」
「怒った顔も可愛いなぁ」
もちもちの頬を揉みながら家族との時間を味わう。
ともだちにシェアしよう!

