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一番の焼きもちは誰だ

黒塗りのセダンが黒光りする大仰な門をくぐり、日本庭園としか表現のしようのない庭に作られた砂利を進む。 威圧感たっぷりの玄関の前には、黒ずくめの服を身に付けた男たちがずらりと並んでいた。静かに停まった車へと一斉にコの字に頭を下げた。 組長補佐の根岸夫婦と、ゆくゆくは組長夫婦の子どもになる奏音を縣一家総出で出迎えたのだ。 外からドアを開けられて。 圧倒され、口をぽか~んと開けていた奏音に、 「お帰り」 低く、落ち着いた声で言いながら龍成が手を差し出した。 絣の浴衣が男らしさをますます引き立てていた。 「りゅうパパ!」 緊張でがちがちになっていた奏音の表情がふっと和らいだ。 「長距離移動で疲れただろう。おいで奏音」 手を握ってもらいようやく車から下りることができた。 でも、どんなに探しても、大好きなひとの姿が見当たらず、奏音は今にも泣きそうになった。 「ママは奏音に旨い飯を食わせるのに準備をしている。暑いから家の中に入るぞ。遼おじちゃんが首を長くして待ってる」 ついさっきまでそのママとエッチしていた遼成と龍成。ベットで終わるはずが、風呂場でも結局一線交えた。幹部連中はすでに慣れっこだが、若い連中は目のやり場に困るくらい、三人は年がら年中ラブラブだ。

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