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一番の焼きもちは誰だ
「陽葵がもう少し大きくなれば、会津美里町や隣接する会津若松市にみんなで遊びに出掛けられるんだが、それではどう考えても間に合わない。だから、市内にある窯元でオヤジや橘や柚原たちに手伝ってもらいながら、一つずつ真心を込めて作ったんだ」
「むずかしかったけど、一太くんと一緒だったからたのしかった。こんどは、お皿にちょうせんするから楽しみに待ってて」
「うん、分かった」
奏音は光希の笑った顔を見るのが好きだ。
光希も奏音が笑った顔を見るのが好きだ。
そんなふたりの出会いは、まさに運命としかいいようのないものだった。
アパートにたったひとりきり。父親に置き去りされ、いままで一度も会ったことがないおじちゃんに引き取られ、全く知らない家で暮らしはじめた。
寂しかったのは最初だけ。
緊張していたのはほんの一瞬。
一太と遥香はすぐに仲良しになった。
未知が出産し、子供たちの面倒をみるために心と福島へ赴いた光希。そこで、奏音に出会った。素直に甘えてくる奏音が可愛くて仕方がなくて。そのうちほっとけなくなった。かけがえのない大切な存在になった。
それは奏音も同じだった。
じいちゃん、かなたね、お父さんにごめんなさいしなきゃならないの。かなた、お父さんより、みつきまま、りゅうパパ、りょうおじちゃんが好きになっちゃった。
かなた、みつきままのこどもになりたい。
奏音は勇気を振り絞り、はじめて自分の想いを根岸に伝えた。
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