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一番の焼きもちやきは誰だ

広間に居並ぶ、揃いも揃って厳つい強面の幹部を前にガチガチになりながらも奏音は、 「ねぎしかなた、7歳です」 前を真っ直ぐに見つめ大きな声で自分の名前を言うことが出来た。 「よろしくお願いします」 背をぴんと伸ばし座り直すと頭を下げた。 いいか奏音、何事も最初が肝心だ。 大きな声で挨拶する、感謝する気持ちを忘れない。ありがとうと、ごめんなさいもちゃんと言えるようにならねぇとな。最初から出来るヤツはいない。恥ずかしがらずはっきり言えるようになったら、一人前の男だ。 光希ママ奏音に二度惚れするぞ。 一太くんのパパは、大きな手で頭を撫でてくれて。笑顔で送り出してくれた。 未知さんも、ままたんもぱぱたんも、さっちゃんもななちゃんも、ハルちゃんも。 菱沼組のみんなも。 がんばれーって応援してくれた。 期待に応えなきゃ。みつきままやりゅうパパやりょうおじちゃんを悲しませるわけにはいかない。 まずは第一関門突破。 良かった。ちゃんと名前も言えたし、挨拶も出来た。 奏音より緊張していた光希。ほっとし胸を撫で下ろすと、奏音と目が合った。みつきまま、かなたがんばったよ。誇らしげな笑顔で小さくガッツポーズすると、光希は何度も頷きながら、目元の涙をそっと拭った。

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