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一番の焼きもちやきは誰だ
仲のいいふたりを見せ付けられ当然ながら面白くないのは遼成だった。
「コウジ」むっつりした表情を浮かべると喉から唸り声を上げた。
「はい」
一番奥に正座していた若い男がビクビクしながら立ち上がった。
「ぼぉーっと突っ立っていないでさっさと来い」
「はい」
オヤジはだだでさえ機嫌が悪い。粗相のないようにな、兄貴たちの忠告を胸に刻み、恐る恐る遼成の前へと進み出た。
「若い衆のなかでお前が一番の若手だ。奏音の弾よけと世話係を命じる。あと、玲士。お前もだ」
すぐ近くに控えていた玲士が「はい」大きな声ですぐに返事をした。
「なにしてんだコウジ。オヤジに早く礼を言わんか」
最前列にいた丸顔の厳つい男が声を荒げ、叱り付けた。
「あ、は、はい」
緊張し過ぎて続く言葉がなかなか見付からない。
「オヤジ、身に余る光栄。ありがたく存じます。誠心誠意、この命に代えても坊っちゃんをお守りします」
玲士がコウジの後頭部に手を置くと、無理矢理を下げさせ、自分も畳に額を擦り付けるように頭を下げた。
「玲士、お前は命を張ることない。亜優を泣かせんな」
「はい、すみません」
遼成にくくくと笑われ、玲士は顔を真っ赤にした。
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