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一番の焼きもちやきは誰だ

「ママが好きなのは奏音だけじゃないぞ。俺と龍パパもだ。先に言っとくが、ママを独り占めするのは禁止、抜け駆け禁止、ハグはまぁ大目に見るとして、挨拶代わりの頬っぺにチューも禁止だ。いいな」 「兄貴、顔が怖い。奏音が怯えている」 温かい湯船の中でガタガタと震え、亀のように縮こまる奏音。 遥琉が、越えなければならない壁は高いぞ。ま、頑張れ。と勇気づけたことがある。壁を越えた先には何があるのと聞き返した奏音に、光希ママがニコニコの笑顔で両手を広げて待っている。思う存分甘えればいい。と答えた。 乗り越えなければならない高い壁。それは……びくびくしながら、そぉーと遼成を見上げた。 「かなた、おじちゃんよりうんと強くてカッコいい大人になってママをおよめさんにする」 「大きく出たな。ま、おじちゃんに勝つには100年早いがな。ここもでかくならないと、ママを満足させられないぞ」 遼成がむんずと掴んだのは奏音の小さな陰茎だった。 「おじちゃんいたい!」 と言いながら、奏音も負けずに遼成の陰茎を掴もうとしたが、大きすぎて、小さな彼の手では掴めなかった。 「おじちゃんの大きいね」 「だろう?長さは龍成に負けるが太さと大きさはおじちゃんが一番だ。奏音もこのくらいでかくならないとな」 「うん、かなたがんばる」 「おぅ、頑張れ」 聞いている方が恥ずかしくなるような会話にもコウジは顔色ひとつ変えず、脱衣所で主が上がってくるのをひたすら待ち続けた。 光希は顔を真っ赤にし、そんなのどうでもいいから。と内心思いながら寝る準備を進めた。

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