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一番の焼きもちやきは誰だ
「光希おはよう」
「奏音起きた?」
「まだだ」
「急いでご飯の用意を準備をして、奏音のそばにいてあげないと。朝から駄々を捏ねられそうだから」
「甘やかしすぎるとマザコンになるぞ」
龍成は光希に近付くとちゅっと軽く左の頬っぺに口付けをした。
「ちょっと龍」
「減るもんじゃねぇし、おはようのキスくらいさせてくれ」
脇の下に手を差し入れ軽々と抱き上げると、シンクに座らせた。ちょうど同じ目の高さになるから、龍成も遼成もここに光希をよく座らせキスをしたりハグをして年がら年中いちゃついている。さすが兄弟。やることなすこと全く同じ。強面で頑健な男たちも、光希の前では甘えん坊の構ってちゃんになる。
「光希愛してるよ」
首筋に回った掌に引き寄せられ、至近距離で深い色合いの瞳と見つめ合う。
「俺も」
吐息が甘く絡み、続いて唇が重なった。
「ん、……」
キスも、あやすように首筋を撫でる指先も優しくて、頭のてっぺんから爪先までが甘い幸福感に満たされる。
広い胸にすっぽりと抱き締められていると、絶対の安心感があった。
だが、龍成の体温を感じているとそれだけでは済まなくなる。
「エッチしたくなった?」
たっぷりと光希の口内を貪ってから、龍成はやっと唇を離した。
「もう龍ったら」
真っ赤になって目を逸らすと、
「図星か」
くくくと龍成は愉しげに笑いだした。
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