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奏音には敵いません

「明日なにして遊ぶ?」 「りょうパパとデートしてからでもいい?」 「そっか、遼パパとデートか。楽しんでこい。龍パパはママとお利口さんにして待ってるから」 「うん!」 椅子に座らせるとボディーソープの泡を手のひらにたっぷりと取り、奏音の身体を洗いはじめた。 「お利口さんにして待てる訳ないだろう」 「遼、動かしちゃ駄目。奏音に変な声、聞かれちゃうから」 「龍としゃべるのに夢中で聞こえてないよ」 軽く腰を揺さぶられ、 「あ、………ん」 甘い声が出て慌てて口を手で押さえた。 「かなたね、みちさんのお兄ちゃんのかぞくに会うの楽しみなんだ。体じゅうに面白いの入れてるお兄ちゃんと次に会ったらあそぶやくそくしたし、千ちゃんっていうスッゴクキレーな人に会うのも楽しみなんだ。かなたも、パパ洗ってあげる」 「お、気が利くじゃねぇか」 お互い泡だらけになりふざけはじめるふたり。泡まみれの龍成の髪の毛をツンツンと立てて遊ぶ奏音。浴室にはキャキャと、寝起きとは思えないくらい元気な奏音の声が響いていた。 そんな微笑ましいふたりを光希は見ている余裕などなく。 (あっ、あぁ………) わざと意地悪するように緩急をつけて腰を揺すられ、声を必死で押さえながら遼成の肩にしがみついていた。

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