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りゅうぱぱもいくよ~奏音には勝てません~
「千ちゃん」
ぶんぶんと手を振って、奏音は千里めがけて一直線に走っていた。厳つい強面の弾よけの男たちにひびる奏音ではない。おはようございます。ご苦労様です。未知や遥琉の弾よけの男たちや、舎弟たちに毎日かかさず一太と挨拶している奏音。ぺこっと頭を下げた。
これには厳つい男たちも面食らっていた。
「千ちゃん、やっと会えた。ねぎしかなたです。しゃしんやどうがで見るより何倍もかわいいです」
目を燦々と輝かせ千里を見上げた。
「あら~~嬉しいこと言ってくれるじゃないの。ありがと」
ウィンクと投げキスをされ耳まで真っ赤になり固まってしまった。
「おぃ、千里。俺の息子はうぶでシャイなんだ。少しは手加減してくれ」
遼成が助け船を出した。
「うぶでシャイなのは今だけよ。そのうち光希を取り合うようになるわ。かなくんは光希ママ好き?」
「はい。大、大、大好きです。おとなになったら、みつきママとけっこんするんだ」
にっこりと満面の笑みを浮かべた。
その後、千ちゃんが愛する旦那様、笹原と対面した奏音。秦や青空とも無事に再会を果たし、めいっぱい遊んでもらった。
遥琉の実家に向かうとした奏音の前に、小さな男の子がふたり現れた。
なぎくん。あおくん。恥ずかしそうに名乗ると笹原の背中にささっと隠れてしまった。
「なぎくん、あおくんあそぼ」
奏音がにっこりと微笑むと、おっかなびっくりそぉーと顔を出した。
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