39 / 173

りゅうぱぱもいくよ~奏音には勝てません~

「そんなに見ないで欲しいな。恥ずかしくなるだろう?」 上総がくすっと笑った。 「おじちゃん、一太くんパパに顔が似てるから」 「そりゃあ親子だからな。似てて当たり前だ」 「えっ、そうなの?」 「あぁ、そうだ」 「そんなに驚くことでもあるまい。面白い子だな。それはそうと、未知は元気か?一太やハルちゃんは?たいくにここちゃんは?ひまちゃんは?」 「みんな元気だよ。おじちゃん変なの。一太くんパパのこと心配しないの?」 「アイツは不死身だ。心配するだけ骨折り損のくたびれもうけだ。可愛いげのない息子より、未知やこどもたちの方が儂は大事だ。もちろんでっかい子どもたちもな。目に入れても痛くないくらい可愛いんだ。いいか未知はな」 また先々代の嫁自慢がはじまった。 これはまた長くなるぞ。 若い衆が吐息をついた。 「ゆうくんもみっちゃんすき。ゆうくんにやさしくてくれるから」 「かなたも未知さん好きだよ。だってがみがみおこんないもん。ゆうくん、あそぼ」 「うん。おにいちゃん。こっちだよ」 優真は奏音の手を掴むと、ぐいぐいと奥の部屋に引っ張っていった。 「光希ラブのお前たちがまさか父親になるとはな……天地がひっくり返るくらいたまげたぞ。人の命を預かるんだ。ちゃんと最後まで愛してやれ」 上総なりの励ましに遼成と龍成の表情が自然と引き締まった。

ともだちにシェアしよう!