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リモート姐さん会
「未知の後ろにいるの、もしかしてフー?鳥の側にいなくていいの?もしかして喧嘩したの?」
ーフーと鳥飼は年がら年中ラブラブだよ。教育上良くないから子どもたちの前ではいちゃつくなってバーバに言われているんだけど、無理だねー
ーウーは若先生と新居探し。ひいろくん、お盆休みに一時退院することになったから。ね、マー ー
ーうん、そうー
未知の笑顔がひきつっていた。
「ちょっとフー、アタシの可愛い妹が怯えてるじゃないの」
千里がノンアルコールビールの缶を振り回した。
ー優しい顔は鳥飼限定なんだってー
ーたいくんとここちゃんは慣れっこになったけど、ひまちゃんは怖がって目をうるうるさせるの。それはそれで可愛いんだけどねー
紗智と那和さんが陽葵の頭をそっと撫でた。
「未知、朗報だ。聞きたいか?」
「ちょっとダーリン。それはまだ言わないで」
「いずれ分かることだ。別に今言っても構わないだろう」
「それはそうだけど」
千里の手から缶を取ると、一気に飲み干し、すぐに返した。
「ダ、ダーリン」
多少のことでは動じない千里が珍しく真っ赤になり狼狽えていた。
「きみ専用の弾よけが明後日退院する。根岸と伊澤夫婦が福島に送っていくことになった」
ー良かった、本当に良かったー
未知の目から涙が零れた。
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