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10年後の未来

4日後しずくとさくらを地竜が迎えに来た。 別れるとき庭に舎弟が全員集合し別れを惜しみながら記念撮影した。 その前に光希たちは神社にお参りし、写真館で家族写真を撮影していた。 別れ際、その場にいた全員が涙を堪えていた。 一番泣いていたのは奏音と遼成夫婦だ。 目に入れても痛くないくらい子どもたちを可愛がっていた遼成夫婦。分け隔てなく愛情をたっぷり注いで面倒をみてきた。 「しずく、さくら、また会おうね」 「しずくちゃん、さくらちゃん、またあそぼうね」 バイバイではなく、いってらっしゃい。 最後は涙を拭いて、笑顔でふたりを見送った。 それから10年後の、嘘じゃなく本当の未来。 あのとき撮影した写真は今も大切に飾ってある。写真はその二枚だけではない。 「しずく、さくら早くしないと遅刻するぞ」 「遼パパ、待ってよ。さくら、ゆっくりでいいよ」 「うん」 「その光希ママって呼び方、そろそろ卒業しないか?」 「龍パパ、何で?」 「お兄ちゃんだって、光希ママだよ」 「うん。それにママにべったりだもん。ズルいよ」 その後、遼成たち夫婦は、奏音としずくとさくら、三人いっぺんに手元に引き取った。戸籍上は遼成の子どもになっている。 生まれつき目が不自由なさくら。 生まれつき難聴で補聴器を付けているしずく。 ハンデキャップはあるものの、遼成夫婦の愛情をたっぷりと受け、どこにでもいるごく普通の小学4年生に成長した。

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