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その後の光希夫婦と奏音
「やっぱこうしてると落ち着く」
組事務所に泊まり込む日が多く、久し振りの夫婦水入らずだ。
「お互い若くないんだから無理しないで」
「なに言ってんだ。光希はまだまだ若いよ。いつ見ても可愛いよ」
「可愛いよって、俺もう48歳だよ。いい年した大人だよ。冗談が上手いんだから」
「冗談で言ったつもりはない」
遼成が光希のスボンのなかにすっと手を入れた。
「昨夜はずいぶんと龍に可愛がってもらったんだろう。妬けるな」
「遼、待っ………っ、ん……」
スイと頤を掬い上げると貪るような濃厚な口づけを光希に仕掛けた。
52歳になっても全く衰えを知らない遼成。龍成や若い衆に負けないとひそかに日々体を鍛え絞っている。それもこれも大所帯の家族を守るためと、もちろん光希を満足させるためだ。
朝っぱらから情熱的に求められ、熱に浮かされた狂態のあと。
ふたりは情事の余韻を楽しんでいた。
気だるく、甘い時間。
いつ龍成が帰ってくるかも分からないのに。裸のままずっと抱き合っていた。
「しかしまぁ、たいしたもんだ」
「うん、そうだね。心も未知も、龍一家と菱沼組の女たちはみんなすごいよ」
「光希もな」
「俺はなにもしてないよ」
甘えるように遼成にすがりついた。
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