近親相姦で産まれた蓮《れん》。生まれながら脳に障害があり、他に心臓や神経系、骨の疾患を持っていた。2歳までは生きられないと医師から宣告を受けた。 裕貴と心は蓮を引き取り、優真と分け隔てなく愛情を注ぎ育てた。 2歳までは生きられないと医師から宣告された蓮は、卯月夫婦や優真や上総。それに龍一家の構成員みんなに愛され、6歳の誕生日を迎えるまで小さな体で大きな手術を何度も乗り越え懸命に生きた。 蓮の死後、裕貴と心は【ヘイノンチルドレン】と呼ばれる地竜が命がけで守ってきた子どもたちを一人でも多く救うための活動をはじめた。 黒竜は中国を訪れた政治家や金持ちそれに経済界のドンたちを言葉巧みに誘い込み、10歳から18歳の少女に接待させた。男たちは欲望を満たすために黒竜に勧められるまま、少女たちをクスリ漬けにし性行為に及んだ。乱パーや乱痴気騒ぎなど日常茶飯事だった。 性に対する知識が乏しく避妊もしなかったから、少女たちは次から次に妊娠した。産まれてきた子どもたちはみな、何らかの障害を産まれながらに背負っていた。 連中は知らぬ存ぜぬ。私は関係ない。お互い罪を擦り付けあって、責任逃ればかりしている。挙げ句には新法を成立させ、さらに暴力団をがんじがらめに締め付けようとしている。それがどうしても許せなかった。