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ちいさな恋のライバル
結婚して16年目を迎えるのに相変わらずラブラブな三人。仁義なき光希争奪戦に、奏音が加わるようになり、男三人で光希を取り合う毎日だ。でも最近、三人を越える強敵が現れた。
人目もはばからず台所でいちゃつくふたりに近付く小さな影があった。
「みーちゃん、いたー」
迷うことなく光希の足にぎゅっと抱き付いたのは莉子。2歳。
莉子は遼禅とまどかの子どもだ。
遼禅が亡くなり、まどかは莉子を置き去りにし男と蒸発した。
顎で遼禅や舎弟らをこき使い、光希を毛嫌いし、子どもたちに辛くあたるまどかは大嫌いだけど莉子には罪はない。遼成たちはひとりぼっちになった莉子を引き取ることに決めた。
「莉子ちゃんおはよう」
「みーちゃん、だっこ」
抱っこをねだる莉子を光希は笑顔で抱き上げた。
邪魔された龍成は当然ながら面白くない。
ママとパパたちが決めたことならいいよ。反対しない。子どもたちも莉子を快く迎い入れてくれた。
「朝4時起きで二度寝したからお腹空いたでしょう。ごはん食べようか?」
「うん」
にっこりと微笑んで大きく頷く莉子。
「龍も食べて。コーヒーだけでは健康によくないよ」
光希は片手で莉子を抱き直すと、龍成の手をそっと握った。
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