66 / 173
噂をすれば影
「おいち」
朝から食欲旺盛の莉子。もりもりご飯を食べていた。
ちょうどその時龍成のスマホが鳴った。
噂をすればまさに影。電話の相手は優だった。
ー龍、久し振りー
「地竜……じゃあねぇな。鞘師だったな」
ー別にどっちでも構わないー
「どうした?」
ーそのうち速報が流れる。そっちにもマスコミが押し寄せると思う。迷惑を掛けるがすまないー
「しずくとさくらは誰がなんと言おうが俺と兄貴とマイスイートハニーの娘だ。たとえ、実の父親かも知れない男が逮捕されてもふたりには関係ない」
ーそれなら良かった。莉子だっけ?可愛いだろうー
「あぁ、そうだな。でも、光希の可愛さには勝てない。光希が一番だ」
ー相変わらずだなー
「そういうお前だって未知とラブラブな癖に。遥琉としょっちゅう喧嘩しているって聞いたぞ」
ー喧嘩するほど仲がいいってよく言うだろう。俺は未知のそばにいれるだけで幸せなんだ。もう二度とそばを離れるつもりはないー
「優先生、未知のことお願いね」
ーその声は……光希か?分かってるよ。任せておけ。光希、未知が話したいって、どうする?あとがいいか?ー
「えっと……」
ちらっと龍成を見る光希。
「光希の大事なママ友に焼きもち妬く訳ないだろう。莉子は俺が見てるから安心しろ」
「ありがとう龍」
光希はスマホを握り締め廊下へ向かった。
ともだちにシェアしよう!