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ママしらない?
すっと音もなく戸が開き、
「ぱぱ~~いた~~」
莉子が遼成の長い脚にしがみついてきた。
「ママしらない?りゅうぱぱもいないの」
目をうるうるさせて遼成を見上げた。
「ママとりゅうぱぱ?いるだろうそこに」
「いないよ」
莉子がブンブンと首を横に振った。
見ると布団がぐじゃぐしゃになっていた。盛り上がっている最中に莉子が目を覚まし慌てて飛び起きた、そんな感じだった。
「風呂にでも入っているんだろう。パパと待ってようか?」
「うん」
「じゃあ、布団を直すから手伝ってくれ」
「りこちゃん、わかった」
ゴソゴソと押入れから物音がしているのことに遼成が気付かない訳がない。
ジロリと凄みをきかせ睨み付けると、
どさっと大きな物音がはっきりと聞こえてきた。
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