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甘いひととき
光希の喉から迸る嬌声と、肉のぶつかる音と、濡れそぼった粘膜が擦れる音が遼成の劣情をさらに煽る。
スパートするかのように滅茶苦茶に突き上げると、
「ぁ…っぁ、あ、ああっ…いい……っ」
光希は大きく喘いだ。その唇に遼成はしっとりとした唇を押し付けた。
舌を絡め合い、息を交わして互いの体液を啜ると、まるで媚薬を使われているかのように敏感になっていく。
「りょう……」
「光希……愛してる……」
「俺も……りょう……愛し…て…る」
縺れるようにして絡み合い、繋がり、一つになったまま、ふたりは口付けながら掠れた声で愛の言葉を告げた。
「っーー光希……っ」
「りょう…」
ほどなく、光希が高い声とともに欲望を吐き出すと、その体の奥で遼成の激情も大きく弾けた。
「大丈夫か?」
髪を撫でながら、汗と涙で濡れた顔中にあやすようなキスを落とされた。
鼻先や頬、額とあちこち辿るキスがやさしくて心地いい。
うっとりして精悍な夫の顔を見つめると、莉子を速攻で寝かし付けた龍成が、兄貴ばっかズルいそう言いながら狭い押入れに乱入してきた。
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