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一年ぶりの帰省

「ごめん。一太じゃないだ。声がそっくり、みんなに言われる」 「一太お兄ちゃんじゃないなら、もしかして……亜優……さん?」 「正解。よく分かった。偉い」 「しゃべりかたがそうかなって」 さくらが恥ずかしそうにもじもじしながら照れ笑いを浮かべた。 「バーバの代理。迎えに来た」 「亜優、マーの具合はどうなの?」 「悪阻が酷い。見てて辛い。でも大丈夫。兄弟みんなでマーの看病をしてるから。バーバ、橘さんに怒られてばかり。マーに構ってほしくてちょっかいだしてばかりいる」 「そうなんだ」 「優先生もバーバと同じ。しつこくして怒られてる」 「遼と龍と一緒でふたりも溺愛夫だからね。マーは大変だ」 光希がくすくすと笑いだした。 「さくら下が開いてる。ゆっくりでいいよ」 「うん」 新幹線に乗り込むときも、狭い通路を移動するときも、座席に座るときも亜優はさくらにつきっきりで面倒をみてくれた。

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