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はじめまして莉子ちゃん

ちょうどそこへ一太がカバンを肩に担ぎ学校から帰ってきた。 「奏音、久し振り」 「お、一太、久し振り」 「相変わらず光希ママにべったりだね。たまには妹たちにママを貸してあげたら?ん?」 一太の視線が莉子へと向けられた。 「こんにちは。きみが莉子ちゃん?」 怖がらせないように腰を屈め笑顔で話し掛けると、びくっと肩を震わせ光希の後ろにささっと隠れた。 「はじめまして卯月一太です。莉子ちゃん、お兄ちゃんとかくれんぼうして遊ぼうか?」 「しずくも混ぜて」 「いいよ。さくらはどうする?」 「えっと、その……」 白杖をぎゅっと握り締めた。 「しずくと一緒に隠れる」 「怪我だけはしないようにね」 「はい」 さくらは頬を真っ赤にして頷いた。 「莉子ちゃんおいで」 一太がすっと手を差し出すと、ちらちらと光希の顔を何度も見上げながら、おそるおそる前に出てきて、勇気を出して一太の手をそっと握った。子どもが大好きな一太。将来は幼稚園教諭になるのが夢だ。 「りっちゃん」 「りっちゃん、よろしくね」 「うん」 こくりと頷くと、 「お返事上手だね。偉いね」 一太に褒められ頭を撫でてもらい莉子は照れながらもはにかむような笑顔をみせてくれた。

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