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一太、やっぱスゲーわ

お昼ごはんを食べ損ねた光希たちのために、一太が台所に立ち、野菜がたっぷり入ったラーメンを作ってくれた。 「一太、スゲーな」 「橘さんの手伝いをしているうち自然と料理を覚えたんだ」 「へぇー」 運ぶのは奏音が手伝った。 「お兄ちゃん、ラーメンを見たらお腹すいちゃった」 心望と陽葵が一太に駆け寄ると、 「遥香と太惺がそろそろ帰ってくるころだから、ちょっと待ってられるか?」 「うん」 「ありがとうお兄ちゃん」 太惺は声が綺麗だからと音楽の先生にスカウトされ合唱部に入部した。遥香も中学校で合唱部に入っている。 「しずく、熱いから気を付けて」 一太が木の器によそったラーメンを運んできて、さくらの前に置いた。 「少しだけ冷ましておいた。ちょうど食べ頃だと思う。陶器と違って木の器だからそんなには熱くないと思う。これが器、これが箸。溢しても構わないから、火傷だけには気を付けて」 さくらの手にそっと箸を握らせた。 「ありがとう一太お兄ちゃん」 さくらは耳まで真っ赤にしながら答えた。 優しくて頼りになる一太。 子どもたちみんな大好きだ。 「飲み物なにがいい?しゅわしゅわ以外ならいろいろあるよ」 卯月家の子どもたちはあまり炭酸系の飲み物は飲まない。飲み物を取りに台所に戻った一太を、さくらはずっと目で追った。

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