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未知が巻き込まれた子供会のトラブル
遼成と龍成から悠仁のことを聞いていたのか遥琉はさほど驚かなかった。
「未知、入院しているんでしょう?絶対安静だって一太から聞いた。どこの病院に入院しているの?」
「いやぁ~~それがな」
遥琉が申し訳なさそうに頭を掻いた。
「毎日子どもたちの世話に追われて、自分のことは後回し。具合が悪くても無理して動き回っているから、そりゃあ、体調も崩す。悪阻がひどかったのははじめの一週間くらいだ。実は子供会でもいろいろともめ事があって、ハチの実家で二週間、静養させることにしたんだ。光希、一太を怒らないでくれ。入院しているって嘘をついたのは、ちいとこみ入った事情があってな」
「未知から一度だけ相談された。子供会でボスママに目をつけられ、他のママさんたちにも仲間はずれにされているって。廃品回収の日時も本当は八時半からだったけど、未知だけには九時だと連絡が来て、その時間に間に合うように行ったら、今ごろなにしに来たのっていう白い目で見られたって。心配はしていたんだ。未知、優しいからボスママに目を付けられたのかも」
「子供会は抜けることにした。子どもがいないから入ってくれと当時の方部長と町内会長に頼まれて入ったが、毎年のように誰もやりたがらない役員を押し付けられて、大変だったんだ」
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