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未知との再会

ハチの実家はピリピリとしたただならぬ雰囲気に包まれていた。玄関のドアの前で仁王立ちになり、鼠一匹たりとも見逃さないと言わんばかりに弓削とフーが鋭い眼光を光らせていた。 「光希さん、お待ちしていました」 軽く会釈すると光希をなかに通す弓削。 「奏音さんはここでお待ちいただくか、車でお待ちください」 「え?」 弓削のまさかの一言に奏音の表情がひきつった。 「そんなの聞いてない」 「姐さんはあまりひとに会いたくないんです。分かってください」 「じゃあ未知さんに会わないようにする」 「だめです」 「なんで」 弓削とフーの制止を振り切り強行突破を試みるも、未知の弾よけの仕事に全身全霊を捧げている弓削とフーの覇気にすっかり気圧され、すごすごと車へと戻るしかなかった。 「光希いらっしゃい」 「なんでいるの?」 思いもしなかった再会にただただ驚く光希。 「なんでって、未知の看病をするためだよ」 笑顔で光希を出迎えてくれたのは七海だった。

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