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未知との再会
七海に案内され光希が部屋に入ると未知はベットに横になったまま窓から見える空をぼんやりと眺めていた。
「未知、お待ちかねの光希が来たよ」
ぴくっと未知の肩が震えた。
「ごめんなさい、こんな格好で。すぐに着替えをするから、待ってて下さい」
「無理して起き上がらなくていいよ」
光希が未知のもとに駆け寄った。
「髪、とかしてないからくしゃくしゃだし、こんなみっともない格好……あれ光希さん、ママべったりの奏音くんがいない。それにしずくちゃんとさくらちゃんと莉子ちゃんも」
光希に体をささえてもらいながら上体を起こすときょろきょろと辺りを見回した。
「奏音は付いてきたけど弓削にとおせんぼうされた。子どもたちは遥琉と未知の子どもたちが面倒をみてくれている。そういえば莉子にまだ会ってなかったもんね。悠仁の件が落ち着いたらまた遊びに来るから、そのときは莉子と遊んであげて」
「はい」
未知の表情がふっと和らいだ。
「お茶にしましょうか」
和江がケーキと飲み物が乗ったワゴンを押しながら部屋に入ってきた。
「和江さんご無沙汰しています」
「あら~~光希さんお久し振り。珍しいこともあるのね。光希さんにべったりの奏音くんがいないなんて」
「車のなかで待ってます」
まさか未知と同じことを言われるとは。光希は苦笑いを浮かべた。
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