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ぱぱたん最強説は健在

駐車禁止の標識があるにも関わらずエンジンをかけっぱなしのまま停車している車に乗り込もうとした悠仁の足がぴたりと止まった。 揃いも揃って強面の男たちが悠仁を取り囲んだのだ。 「あのおじちゃん喧嘩を売ってんのかな。男が男を好きになって何が悪いのかな。莉子ちゃんのパパたちとママは結婚十五年目でもすごく仲がいい。俺らのオヤジと姐さんもだ。爪の垢を煎じて飲んだほうがいいんじゃねぇか。少しはまともになるんじゃねぇかな。莉子ちゃんもそう思うだろう」 莉子を抱っこしあやしながら奏音の前に姿を現したのは柚原だった。 「お兄ちゃん、大丈夫?」 しずくが奏音に駆け寄った。さくらには蜂谷が付き添っていた。 「柚原、てめぇー」 悠仁の表情に獣的な怒りがギラギラと光っていた。 「悠仁、ぱぱたんをあまり怒らせないほうがいいぞ。子どもたちに怖い思いをさせるなど言語道断」 蜂谷が負けじと睨み返した。 柚原が不敵な笑みを浮かべ、流暢な中国語でふたりの女性に何かを話し掛けた。

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