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復讐の鬼女
「にいに、ぷちぷち」
「莉子、ちょっと待ってな」
「うん!」
子どもたちが役割分担して用意したのは手巻き寿司だった。
これなら普段は少食の莉子とさくらがたくさん食べてくれるんじゃないかと、大きい子供たちが考えた。
小さい子供たちが大好きなぷちぷち(いくら)ときゅうりと卵とツナマヨネーズは多めに準備した。
「ちょっと太惺!それ私のウィンナーだよ。取らないでよ」
「食べない心望が悪い」
「お兄ちゃん、お姉ちゃん」
心望がこれでもかと頬っぺを膨らませ、一太と遥香に助けを求めると、
「お兄ちゃんのあげるよ」
「お姉ちゃんのもあげる」
ふたりからウィンナーをもらい、
「やったーー!」
心望は大喜びだった。でも、今度は陽葵がへそを曲げた。
「心望お姉ちゃんばっかズルイ」
するとしずくが陽葵の皿にウィンナーをそっと置いた。
「ありがとうしずくちゃん」
「まだまだあるから喧嘩しないんだよ」
陽葵はにこにこしながら大きく頷いた。
喧嘩しながらも、仲良く夕ごはんを食べる子供たちの様子を光希と遥琉は台所から目を細め眺めていた。
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