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復讐の鬼女
「遥琉、ちょっと待って」
光希の表情が変わった。
「未知が妊娠する前に一回だけ飲んだ。といっても一口だけだ。味が好きじゃなかったから残りは流しに捨てた。未知の妊娠が判明してからは飲んでいない。未知の体だけじゃなく、赤ん坊にも影響があったらそれこそ大変なことになるからな」
「それなら良かった」
ほっとし胸を撫で下ろす光希。
遥琉は形見離さず持ち歩いているエコー写真を財布から取り出すと光希に見せた。
「実は南先生から先天性の心疾患があるかも知れないって言われたんだ。どんな子でも俺たちは受け入れる。だって神様から授かった大事な命だから。命を預かったからには責任を持って育てる」
光希と遥琉がそんな会話をしていたら、
「それ子供会の保護者に差し入れたら?」
奏音が光希の隣に座ると見せ掛けて、膝の上にちょこんと座った。
「父さんたち、そんな怪しげなの飲んでいたの?」
「だいぶ前だよ」
「そんなの飲まなくても父さんたち元気ハツラツじゃん。そういえばネットの書き込みでマカなんとかって栄養ドリンクの健康被害を訴えている人がいたよ。一度飲んだらアウトだって。ヤバくない?」
「それ、俺も見た」
一太が子どもたち特製の手巻き寿司がてんこ盛りにされた皿を遥琉たちの前に置いた。
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