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復讐の鬼女

「マカなんとかっていう栄養ドリンクは、遼兄貴が知人からもらったんだ。その知人は南青山でレストランのオーナーをしている。従兄弟が立ち上げた健康食品会社の目玉商品だと説明されて試供品を二ケース、十本もらったんだ。試しに一本を半分して飲んだが、あとは飲んでいない」 「龍成、差し支えがないならその知人の名前と健康食品会社の名前を教えて欲しい」 「分かった。ちょっと待ってくれ」 遥琉に頼まれ龍成は上着の胸ポケットから財布を取り出した。 「そういえば納豆がついて手がべたべただったんだ。光希、使って悪いが代わりに探してくれ」 光希が龍成の代わりに財布のなかをごそごそと探し始めた。 「どうした?」 光希が急にぷぷっと笑いだした。 「だって、子どもたちの写真しか入ってないんだもの」 「金は使う分だけあれば十分だ。クレジットカードは便利だが使いすぎるとあとあとの支払いが大変だから一枚しか持ってない。光希と子どもたちの写真は俺にとってお守りみたいなもんだ。遼兄貴の財布も俺と似たようなものだぞ。てか、兄貴もそうだろう」 「似た者同士だな」 遥琉が愉しげな笑みを浮かべた。

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