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復讐の鬼女

「龍、もしかしてこれ?」 光希が名刺を龍成に見せた。 「そう、それだ。兄貴に渡してくれ」 光希から名刺を受け取った遥琉はそこに書かれてあった名前をじっと見つめた。 「変わった名字だな。港《みなと》と呼ぶのか?遼成とどんな関係なんだ?」 「中三のときに兄貴のクラスに転校してきた。十年前に同窓会で再会して、それから友人として付き合っているみたいだ。レストランのオーナーになる前は不動産会社で営業として働いていた。港のカミさんを見た兄貴がどこかで会ったような気がする。他人の空似か?そんなことを漏らしていたような……」 「十年前か。妙に引っ掛かるな」 遥琉はスマホを胸ポケットから取り出すと耳にあてた。 「鞠家、明日の九時に召集をかけてくれ。悪いが頼む」 電話を切った遥琉に奏音が、 「紗智さんは?元気なんですか?」 心配そうに聞いた。 「那和と兄弟仲良く同じ家で暮らしている。鞠家とはラブラブのバカップルだ。真沙哉はあぁ見えて負けず嫌いのところがあるからな。ふたりに負けじと那和とところ構わずいちゃついている。ま、新婚だから大目には見ているんだが。帰る前に会ってきたらどうだ?」 「はい。そうします」 奏音が嬉しそうな表情を見せた。

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