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復讐の鬼女

「誰がなんと言おうと、りんりんが私のママだよ。産んでくれたことには感謝しているけどそれだけ。育ててくれたりんりんママとフーパパが私の両親だよ」 「奈梛、あのな……」 心配を掛けまいと明るく振る舞う娘に声を掛けようとしたら、 「あちょぼ」 莉子が奈梛のスカートを掴みつんつんと引っ張った。奈梛やお姉ちゃんたちと遊びたくてうずうずしていた莉子。ご飯もちゃんと食べたよ。お片付けもしたよ。流し台を指差した。 「なにして遊ぶ?お絵描きでもしようか?それともままごと遊びがいいかな?」 莉子はニコニコと満面の笑みを浮かべ、奈梛を子ども部屋に連れていった。 小学校に入学したその日、鳥飼は奈梛にふたりの姉がいたことと、母親のまゆこのこと、父親のことを包み隠さずすべて話した。 「ここちゃんやひまちゃんちにあった写真、やっぱりお姉ちゃんたちだったんだ。なんで似てるのかなってずっと不思議に思っていたんだ。お父さんやお姉ちゃんたちを死なせておいて、なんで自分だけ生きているの?奈梛はいらない子だったの?」 「いらない子じゃない。奈梛はパパたちのかけがえのない宝物だよ」 鳥飼は奈梛をそっと抱き締めた。 「リンリン、ナヤ、ダイジ」 ふたりを包み込むようにフーがすっぽりと抱き締めた。

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