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譲治と覃
「ジョーは男を虜にするエロい尻をしている。俺以外の男に見せるの禁止。俺がいないとき風呂は基本ひとりで。男は顔じゃない。尻で選べとよくいうだろう?」
沐辰は訳の分からない持論を述べると、嫌がる譲治をどこまでも追いかけ回し、捕まえると膝の上に横向きに座らせ、満足するまで何時間でも尻を撫で回す。
それをこの十年ずっと続けてきた。
「男を見るならまずは乳首の感度の良さから、顔は二の次。の変態野郎もいるしな。優のまわりにはもう少しまともな男はいないのか」
やれやれとため息をつく龍成。
「探すだけ無駄だと思う」
光希も笑うしかなかった。
数分後、プラットホームにアナウンスが流れ新幹線がゆっくりとホームに滑り込んできた。
「あれ?いない」
さっきまで人目を憚らず熱いキスを交わしていたふたりはいつのまにかいなくなっていた。
ふたりの代わりに遥香とハチとタマ夫婦が見送りに来てくれた。
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