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絶体絶命の危機

現れたのは奈梛が通う小学校の担任だった。T小学校は全校生徒五十六人の小規模学校で、奈梛が在籍する五年生のクラスは八人しかいない。 「担任の坂内《ばんない》と申します。奈梛ちゃんが通り魔に襲われて救急車で運ばれたって聞いたんです。あの奈梛ちゃんは?」 卯月と優は眉をひそめた。 これだけヤクザが一堂に介しているのに、野暮ったいメガネを掛けた坂内という五十歳過ぎの男性教諭は動揺する素振りを一切見せなかった。 T小学校の鈴木校長は石井農園の石井さんの姪だ。奈梛が救急車で運ばれたときにすぐに駆け付けてくれた。その時、担任は風邪をひいて昨日から休んでいると話しをしていた。 校長が嘘をついているとは思えない。 じゃあ、コイツは誰だ? 「見舞いに来たんですが、看護師に聞いたら関係者以外立入禁止禁止みたいで」 「そうなんですか」 坂内に気付かれないように無関心を装う卯月。ポケットに両手を入れると、作り笑いを浮かべた。 それを見た優と弓削はアイコンタクトをとり、 「姐さん、今日は奈梛に会えないみたいなので帰りましょう」 未知と子どもたちを誘導し、回りを警戒しながら速やかにそこから移動をはじめた。

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