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決着

騒動が収まり無事に帰宅することが出来たのは夜になってからだった。 「覃さん」 組事務所に帰ろうとした覃に未知が声を掛けた。 「あの、さっき僕に報告しなきゃいけないことがあるって、それ何かなって」 「そうでした。すっかり忘れるところでした」 覃がにこやかに笑んだ。 「体の相性が最高の愛人《ラマン》と、極上の触り心地のある尻を同時にゲットしました。自分で言うのもあれですが俺みたいな変態を彼は心底愛してくれると言ってくれました」 「そう、良かった」 この十年、ふたりの近くでずっとふたりを見守ってきた未知。歓喜のあまり涙が溢れた。 「やだ、もぅ、なんで」 未知は笑いながら涙を手で拭った。 「お赤飯炊かないと。みんなでお祝いしよう」 「お赤飯?」 「ほら、お祝いごとに食べる、もち米と赤い小さな豆が入っている日本の伝統的なご飯だよ」 「あぁ。宋が豆を見てワカの乳首みたいに可愛いって言ったあれですね」 「そうです。覃さん、宋さんとワカさんのほうはその……」 「宋とワカですか?ふたりとも特定のパートナーはいません。くっついたと思ったら別れて、友だち以上恋人未満のままです。ハプニングバーで変態プレイを楽しんだり、知らない男をラブホに連れ込みワンナイトラブを楽しんだり。宋はかつて愛し合った義兄弟とキッパリと別れを告げ、けじめをつけました」 「宋さんもワカさんもすごくお似合いだと思うの」 「姐さんがそう言うなら何がなんでもふたりをくっつけます」 「お願いします」 「お願いされます」 同時にぺこりと頭を下げるふたり。 顔を上げるなりぷぷっと吹き出した。

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