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おめでとう!
その頃、東京の縣家では……。
俺のマイ・スイートハニーは今日も美しい。
龍がパソコンの最前列を陣取り、一人夢心地で画面をうっとりと見つめていた。視線の先にいるのは龍が愛してやまない光希だ。
遼は本部の会合。奏音は部活で帰りは遅い。心に光希を独り占めしたいと説明し、しずくとさくらを預かってもらった。
「カシラは姐さんに心底惚れているんですね」
コウジが龍に声を掛けた。
龍の目の前には未開封の郵便物がそのまま置かれてあった。
「男なら泣いて喜ぶ裏ビデオでしょうこれ?」
「いらないって言ったんだが、ダンベイの蛭田がいいのが手に入ったって送り付けて寄越したんだ。欲しいならくれてやる。持っていけ」
「もし見付かったらカミさんに首を絞められます」
「そうだった。新婚ほやほやだもんな。そういえばいいものがあるぞ。これも蛭田が勝手に送り付けてきた」
引き出しから未開封の小包を取り出すとコウジに渡した。
「カシラこれは?」
「アナル拡張プラグにお肌に優しい潤滑油だ。俺のハニーには必要ないが、ぴよぴよの青葉マークの達治には必要だろう」
「カシラありがとうございます。今晩使わせていただきます」
コウジが頭を下げ、腰を九の字に曲げた。
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