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おめでとう!
「龍おじさん、光希さんと莉子ちゃんがいなくて寂しいでしょう?」
遥香と心望が手を振りながら龍に話し掛けた。
ー光希がいなくても奏音とさくらとしずくがいるからちっとも寂しくないー
「本当に?」
「強がってない?」
疑いの目を向けられぎくっとする龍。
「え?パパ?」
小さな手が画面の下からひょっこり現れた。
ーその小さな手の持ち主は莉子か?パパだよ。元気にしてたか?ー
龍が笑顔で話し掛けると、遥香に抱っこをせがむ愛娘の声が聞こえてきた。
「あ~~パパ~~だ!」
莉子は久し振りに会う大好きなパパに大興奮。キャキャと黄色い歓声をあげながら両手をぱちぱちと叩いた。
「莉子ちゃんと、莉子ちゃんのママが側にいなくても龍パパ、全然寂しくないんだって」
ーそんなこと一言も言ってないだろう。余計なことを言わんでいい。莉子、パパだよー
龍が笑顔で手を振ると、莉子も真似して手を振った。龍は自他ともに認める親バカだ。愛くるしい笑顔と仕草にノックアウト寸前になった。
「お姉ちゃん、チカちゃんだよね?」
「あ、本当だ。チカちゃんだ。千ちゃんもいる」
「双子みたいに可愛い」
ーチカだと?千里だと?こんなところにいる訳ないだろう。いる訳が……それにどこが可愛いんだ……ー
後ろを振り返った龍。
ーうぁ~~出た~~!!ー
驚きすぎて椅子から落っこちた。
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