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第58話※
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「ン……、ふっ……」
じゅる、と自分の唾液と一緒に溢れ出る透明な滴を悠希は啜り上げた。喉の奥深くまで達した各務自身に、何度かくるえづきを抑えて自分の頭を引いていく。
途中のくびれの下を柔らかく舐めて、咥えた各務の屹立を口の中から顕わにした。
手で支えなくても、天井へ向かってそそり立つ各務の太い幹の裏筋を、根元から先へ、ねっとりと舌を這わせた。
時折、上目つかいで様子を窺うと、そこには小さな灯りに照らされて悠希を優しく見つめる各務の顔がある。床の間を背に両足を投げ出し、少し息をあげて足の間の悠希が自分のものをしゃぶる様を眺めながら、各務は悠希の頭を愛おしく撫でてくれた。
それだけで悠希の不安は徐々に薄れていき、さらに各務に気持ちよくなってもらおうと大きく口を開けて、納めきれない各務の熱い塊を懸命にほおばった。
「気持ちいいよ……」
吐息混じりの各務の声が悠希の鼓膜をくすぐる。その声に悠希の花茎がじんっと熱を帯びてきた。各務の張り詰めた袋も揉みながら軽く頭を上下させると、そのリズムに合わせて各務の呼吸も粗く重なってきた。
(感じてくれている……)
ぐん、と口の中で一層太さを増した各務の屹立が限界に近いのが分かった。鍛えられた腹筋が忙しなく呼吸を繰り返している。悠希はその快感を自分が各務に与えていることに満ち足りたものを感じた。各務の太い幹を伝う血管の浮き出た筋まで舌で分かるくらいだ。
じゅっじゅっ、と和室の中に淫らな水音を小さく響かせて、悠希が夢中になっていると、
「もういい。やめろ」
各務は言うと強く悠希の肩を押し上げた。締めていた喉の奥から各務の屹立がずるりと出て行くと、悠希の唇から細く銀の糸が伝って途切れた。
けほっ、と一つ咳き込んだ悠希の唇に各務が荒く噛み付いてくる。今まで自分の昂ぶりを攻めていた悠希の舌を労わりながら、各務は悠希の口内を舐め廻した。
「……ふぁ、……んん」
各務のキスに悠希の体が熱を発していく。キスの合間に先ほどまでの抵抗はどこに行ったのか、悠希の着ていた浴衣は二の腕に辛うじて掛かるまで上半身を顕にされて、帯もほどかれてしまっていた。
各務が布越しに悠希の熱い花茎を包み込んで、ぎゅっと先端部を親指で押すと、ジワリと下着に蜜の染みが浮き出てきた。
「せっかく風呂に入ったのにな」
囁きと共に悠希の下着の内側へと各務の手が入ってくる。直に花茎を握られて、締め付けられる感覚が悠希を一瞬冷静にさせた。
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