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第101話※
「……っふ、ん……」
思わず鼻から甘い吐息が漏れてしまう。彰吾のキスは激しさの中にどこか懐かしさが漂って、悠希の心は切なく震える。
申し訳程度に引っ掛かっていたシャツを脱がされ彰吾にシーツの上へ押し倒される頃には、悠希は全てを剥ぎ取られて、その火照った肌を彰吾の前に晒していた。
「綺麗だよ、悠希さん。あの頃と変わらずに……、あなたは美しい」
そんなことはない、という悠希の反論はまた、彰吾の唇に抑え込まれた。彰吾の舌の動きに合わせて、自然と悠希も自分の舌を絡める。ちゅくちゅくと耳に響く音の中で、悠希は自分の花茎が大きく膨れていくのを感じていた。
「ぅ……、はぁっ」
彰吾の手が、唇が悠希の体を這い回る。それはまるで各務の残した跡をなぞるかのようで、悠希の肌にあの頃の感覚を思い出させた。
「好きだ。悠希」
好きだ、好きだ、好きだ……。
「あぁ……」
彰吾の熱を帯びた囁きは、悠希の肌の表面からじわりと浸透して悠希の心へと伝わっていく。
彰吾が紡ぎ出す愛の言葉は、各務が悠希に告げられなかった分を補うかのように部屋の中を浮遊した。
悠希の硬くなった胸の突起を摘み上げ、彰吾の唇がとろとろと甘い蜜が伝い落ちる悠希の花茎を飲み込んだ。じゅぷじゅぷと扱かれ、柔らかく解れた後蕾に長い指を入れられると、悠希の腰がビクビクと跳ねた。
弾ける寸前に彰吾は悠希の花茎から口を離すと、指も引き抜いて悠希の細い腰を掴んだ。悠希の両足を二の腕に掛けて、彰吾は後蕾の入口に自分の屹立を押し当てる。
「あ、ああっ、……、はあっ……」
ぐうっ、と彰吾が屹立を打ち込んでくる。久しぶりに熱杭を受け入れた悠希の後蕾は、これ以上はない程に大きく開かれた。はっはっ、と彰吾が粗い息を吐きながら悠希を強く穿つ。
「あっ! だめっ! もう……イくっ!」
悠希の喘ぎに彰吾がさらに動きを早めた。快感を生み出す場所を執拗に突かれると一気に悠希の花茎から白濁が迸った。
「悠希っ、悠希っ!」
彰吾が何度も悠希の名を呼ぶ。吐精の余韻に浸る間もなく、悠希はまた快感の頂点へと誘われた。
「あっ、ひぁっ! ……ああ、う……、ああ!」
「くっ! 悠希!」
大きく叩きつけられて頭の中が真っ白になる。ぎゅっ、と強く抱き締められた瞬間、彰吾の腰が大きく震えてドクドクと後蕾の最奥へと熱い劣情が射出された。同時に彰吾の締まった下腹に擦られた悠希の花茎もまた、堪えきれずに白い蜜を噴き出した。
二人の熱い吐息が窓を叩く雨の音を消していく。何度も二人で頂点を極めて、そしてまた、どちらからともなく互いを求め合う。
「ああ、悠希。うれしい。俺は……、しあわせだ」
霞む意識の中で放たれた彰吾の囁きが、この夜に悠希が聞いた最後の言葉になった。
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