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高崎が補足ぜずとも何となく恋情的な意図だと予想はしていたが図星だった。 高崎が藤咲とのやり取りを見ていたのなら手を握って見つめ合うなんてごく一般的の交友関係では不自然な光景なだけにそう捉えられたのは当然のこと。 だけどもう、逃げも隠れもしない。 俺が藤咲のことが好きなのは変わらないし、藤咲を愚弄する母親を許せなかったことにより話し合う決心がついたのだから·····。 「その後麗子様に車に戻るように命じられたので、どういう経由で麗子様がご立腹であったのかは存じませんが·····麗子様には告げることはありませんので安心してください。不躾なのは承知の上でしたが、尚弥様といるときの大樹様、熱情を帯びた眼差しでいらしたので··········」 「お恥ずかしいですが否定はしません。それに·····別に構いません。話し合いの際、麗子さんにも言うつもりでしたから」 第三者から見て汲み取ることが出来るほど、あからさまに藤咲への想いが表情に出ていたのかと思うと、あの時した自分の行動は藤咲にとって相当な恐怖だったに違いなく、後悔の念が絶えなかった。 「そうでしたか·····」 声音を下げて深く考えるように頷いた高崎は兄弟して藤咲の家のモノを好きになるなんてどう思っているんだろうか。やはり、母親同様藤咲家は長山の家にとっては悪害としか思っていないのだろうか·····。 「やはり兄弟だと思いましたか?」 斜め前後の座席で表情から読み取ることができないのをいいことに、高崎に踏み込んでみた。だからといって麗子自身の意見が変わるわけでもないが、高崎個人の意見を訊いてみたかった。 宏明のことでも口出しをせず黙って見ていた高崎だからもしかしたら柔軟な考えを持っているのではないかと微かな期待もあった。

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