藤咲は穢らわしくなんかない·····。 もっと藤咲の乱れた姿を見たい·····汚したいと思っているのは俺の方だ。 大樹は傷だらけの微かに震えている右手を取ると、強く握りしめた。 「俺は藤咲を穢らわしいなんて思ったこと一度もない。そんなこと言ったら お前が俺に欲情してる姿をもっと見たいと思う俺の方が穢らわしいだろ？ おあいこだと思わないか？」 未だ拭えない不安を抱いている彼に優しく問いかけては微笑んだ。 そんな言葉に押し黙って返事をせずにいる藤咲を待たずに、戦慄かせている下唇を自分の上唇で挟んでは、キスをする。 「ふっ·····」 藤咲の右手をベッドに縫い留めて、恋人繋ぎのように指と指の間を絡ませた。 指先の感触と、耳に掠める息に煽られて藤咲の口腔内を自分でいっぱいにしたい衝動に駆られる。 頑なに閉じられている唇を強引にこじ開けると藤咲の中を探るように舌先を進める。 戸惑いか、恐れからか、ギュッと握られる手。大樹に応えるように懸命に合わせてこようとするもうひとつの濡れる舌先。 深く唇を、舌を交わらせながら左手をスラックスの中に撫でるように臀部まで滑らせてずらすと、藤咲の疼いている部分に手をかけた。 下着の中に潜り込ませ、ゴム口から引き出すと張り詰めたモノを握っては、普段己で処理をする時と同じように上下動かして扱いていく。既に反り勃たせ、触る前から濡らしていたモノが大樹の手によって卑猥な音を立てては熱を持っていく。 「んっ·····ぃやぁ·····あっ·····あっ」 速さをつけて扱いてやると張り詰めていたソレは瞬く間に絶頂を迎えたのかキスもままならないほど小さくそう呟いた藤咲の細い体が弓なりになり、弾けていった。