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全く無知な訳じゃない、下調べはしてきたし、そのような行為があることは心得ていたつもりでも視覚と想像以上の刺激の強さに冷静さを失ってしまう。 「·····この前だって·····ぼ、僕の·····なめてっっ·····あんた、おかしいっ·····」 狼狽える尚弥など構わず、大樹の口腔内へと沈んでいく己の欲。 「はぅ·····んっ」 柔らかくて暖かい。大樹の唾液と自分の先走りが混ざり、滑りやすくなったことで緩やかな刺激が尚弥を蕩けさせる。腹部に当たる大樹の短い髪が時折擽ったいけどそれも心地よくて、気持ちいい。怖いのにやめて欲しくない。 声にもならない甘い息。 激しく上下に扱かれたと思えば、舌で蓋をするように鈴口を塞がれ、あと少しの所で寸止めされる。出したいのに出せなくて苦しい。 「い、やっ……」 「くるひーいか…?」 こくりこくりと大きく頷いては、早く最後までしてほしいと懇願するが 大樹は咥えたままニヤニヤと笑みを浮かべる。 「なおや、すなおひゃないから。俺、言葉で言ってもらわなきゃわからないなー」 分かっているくせに……。 僕がそのために勉強もして、準備もしたのに……。 大樹は意地でも先ほどの酔っぱらった自分が甘えてくる様をどうしても見たいようだった。尚弥も負けじと首を振って口を噤んではどうしても自分の口から言いたくない意志をみせても、今度は大樹の右手で生殺しの様に緩やかに先端を親指で抑えられながら扱かれる。 「んっんぅ……はぁ…はぁ…」 「このままだと、また不甲斐なくイッちゃうけどいいのか?」 「やだっ……」 苦しむ尚弥の表情をじっと見つめながら、悪戯に問う。 前回のように自分だけ、達してしまうのは避けたかった。 大樹と一緒に気持ちよくなりたい……。 でも、このまま意地を張っていたら、前回同様に独りよがりなだけだ。 「た、たいきっ……くぅん……とがいいっ……い、一緒がいいっ」 顔をみて強請るのなんて恥ずかしくてできるわけない。 尚弥は大樹の首に腕を絡めて、肩に背中を埋めるとぎゅっと抱きついた。 「なおや…それはっ俺もヤバイ」 大樹の切羽の詰まったような声が密着した胸から振動して伝わってくる。 怖いだとか、穢れる事への恐れなどとっくに払拭され、大樹と繋がりたい一心だった。

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