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【SIDE:L】
仰け反った身体を無理やり腕の中に閉じ込めて、呼吸を奪った。
乾いた唇をどれだけ潤しても、思いが溢れて止まらない。
「愛してる……」
ヘッドホンをしているせいで、自分の声がどんな音をしていたのかは分からない。
でも、思いが伝わったことは分かった。
ビクンと跳ねた身体を抱え上げ、向きを変える。
突っ張ったコードを力任せに引っ張ってヘッドホンをはずし、理人さんごとベッドにダイブした。
ぐぇ……と喘いだ唇をもう一度塞ぎ、口内を舌でグチョグチョに侵す。
「んっ……んっ……」と漏れる濡れた鼻息でさえも燃料となり、どんどん気分が高ぶっていく。
もっと。
もっと。
性急だと分かっているのに、やめられない。
誕生日だから許されるだろう――今日ばかりは、そんなバニラアイスみたいに甘い思考に身を委ねることにして、理人さんに下半身を押しつけた。
長いまつ毛がふるりと震え、躊躇いがちに押し上げられた目蓋が、隠れていた瞳を露わにする。
艶めく黒い世界の中心に、間抜けな俺が映し出された。
熱に浮かされた自分の姿と向き合っていると、一方的だった触れ合いに、理人さんの音にならない欲求が加わった。
はやく――して。
シャツをめくり上げ、引き締まった脇腹をゆっくりと北上していく。
そうしてたどり着いた小さな突起を親指と人差し指でそっと挟み込みと、理人さんは内腿をもじもじと擦り合わせた。
チュッ……チュッ……と口づけを繰り返しながら手探りし、ズボンの前を肌蹴させる。
下着と一緒に手をかけると、理人さんは自ら腰を上げて脱衣を促した。
冷えた空気に晒され健気に震えるそれを一瞥し、唾液で濡らした指で後ろを探る。
窄まりを指先で押し拡げると、理人さんは苦しげに息を漏らした。
そんな姿にさえ、今の俺は容易に煽られてしまう。
「あっ……あぁん……」
溢れる吐息が色づいたのを確かめてから、理人さんの長い脚を膝の裏から持ち上げた。
すっかり熟した蕾に俺自身を当てがうと、ふたつのアーモンド・アイがゆらりと揺らめく。
不安の奥に見え隠れするのは、淫らな期待。
「理人さん、大好き……」
思わず零れ落ちた言葉をそのまま耳に注ぎ込み、俺は熱い思いをゆっくりと理人さんのなかに埋めた。
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