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言わぬが花 6話
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エロ佐伯side
うーん、やり過ぎたかな?
仁がトイレに籠もって既に2時間。
仁が人前ではキスとか嫌がるのが面白くてつい、
ケイと真世に一芝居うたせても失敗だし。
「佐伯さんどーします?」
流石の真世も不安そう。
「佐伯さんドア壊してくださいっ!仁さんが心配です!トイレで倒れてたりしてないですかね?」
ケイは涙目だしなあ。
うーん、
あっ、そうやん小窓!
俺はトイレに小窓があったのを思い出した。
俺は脚立を管理人から借りてトイレの小窓へ。
そして、仁が既に居ない事に気づいた。
小窓が取られている。
脚立に登り中を見た。
仁は不在。
いつの間に?
俺は小窓からトイレに入り、ドアを開けた。
「仁さん」
ドアを開けると直ぐに美少年2人が抱きついてきた。
「仁逃げてる」
「げっ、佐伯さん」
俺に気づき2人は離れた。
げっ、とは失礼な!
「嘘、仁さん」
慌てたように2人はトイレを見て、居ない事を確認して不安そうにその場に座り込む。
「仁さんどこ行っちゃったんですか~」
もう泣いてるケイと、
「やりすぎましたね」
反省している真世。
携帯に電話……って、テーブルの上にあるしっ、
仁、裸足なのに。
美沙ちゃんとこ?
「仁?来てないわよ?あれっ、もしかして痴話喧嘩かしら?」
電話の向こうの美沙ちゃんはワクワクしながら聞いてくる。
美沙ちゃんの所じゃないのかあ~
じゃあ、信長?
「えっ?仁?来てないわよ?あ~なあに?痴話喧嘩?別れるなら仁はいただくわよ」
信長の所でもない。
孫七じいちゃん?
「仁?来とらん!仁と喧嘩かあ」
じいちゃん所じゃないかあ~
つーか、皆して痴話喧嘩って…………。
嬉しいじゃないか!
公認カッポーみたいでさっ!
しかし、仁はどこに?
しくしく泣く子猫ちゃんをあやしながら、俺は知り合いに電話をしまくる。
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仁side
「えっ~すごーい」
俺は硝子に張り付く勢いで外を見ている。
ビルの最上階からの風景は圧巻。
高い所に登ると、殿様気分になるよね?俺だけかな?
特にお城とかっ。
「仁くん、本当に風景とか見るの好きなんだね」
真後ろからお兄さんに話し掛けられ、
「うん」
と、つい、返事を返してしまって、慌てて「はい」と言い直した。
でも、遅かったみたいでお兄さんはクスクス笑い、
「仁くん子供みたいで可愛いね」
と、微笑まれた。
はずっ、
めちゃめちゃ恥ずかしい!
多分、顔が赤いと思う。
だって熱いから。
「コーヒー飲める?」
お兄さんは冗談混じりに言って俺にコーヒーをくれた。
ここはお兄さんの会社らしい。
なんと!お兄さんが取締役社長!
ビックリ!
だからジャガーだったり、カードがブラックカードだったりするんだな。
「あの、いいんですか?俺、部外者なのに」
「俺の友達だもん部外者じゃない」
笑顔で言われて嬉しくなった。
「えへへ、何か嬉しいです」
「あ、仁くん椅子に座ったら?」
お兄さんがフカフカの椅子を差し出してくれた。
座ってみると、座り心地抜群。
しかも、クルクル回る椅子。
小学生の時に職員室の椅子がクルクル回る椅子で毎回乗って遊んでは怒られてたなあ。
めちゃ懐かしい。
つい、クルクル回ってしまう俺は多分中身は子供頭脳も子供………、
しかも、楽しい。
「仁くん、あまり回ると気持ち悪くなるよ」
お兄さんの声でハッと我に変える。
やべえ、
めちゃめちゃやべえ!
また、変な所見られた!
「す、すみません調子に乗っ…………っ」
しまった、
マジで調子に乗り過ぎた!
「うっえ~気持ち悪い…………」
俺はフラフラで前のめりになる。
「仁くん、大丈夫?」
お兄さんが俺の身体を支えるように手を添えてくれた。
ぐはっ、
やってしまった!
子供か!良い年をして子供か!
自分突っ込み。
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